みなさんは、ヨーロッパやアメリカへ旅行するとき、航空券をどのように予約していますか?おそらく「まずは往復で検索する」という方が多いのではないでしょうか。
旅行中、1つの都市にしか滞在しないのであれば往復航空券で全く問題ありません。でも、せっかくの海外旅行なら「複数の都市を巡りたい!」という方も多いですよね。 たとえば、ロンドンからヨーロッパ旅行をスタートして、最後にローマを観光。その後、わざわざローマからロンドンへ戻って帰国する……というルートを組んでいる方、意外といらっしゃいます。
実はこれ、「往復で買うのが一番安いはず」という強力な思い込みが原因なんです。
本当は、複数都市を周遊する場合にもっと安くて賢い予約方法があります。それが「オープンジョー(周遊航空券)」を活用すること! そこで今回は、オープンジョーを駆使して、普通の往復航空券よりもお得にヨーロッパやアメリカを旅行するテクニックを分かりやすくまとめてみました。
オープンジョー(周遊航空券)とは?
オープンジョーとは、通常の往復航空券のように「1つの出発地と目的地を単純に往復する」予約とは違います。フライトごとに別々の出発地と目的地を設定し、まとめて一括予約する方式のことです。
たとえば、「東京発〜ロンドン着」と「ローマ発〜東京着」の2回のフライトを組み合わせたり、
「東京〜ロンドン」「ロンドン〜パリ」「ローマ〜東京」のように3回のフライトをまとめて1つの航空券として予約したりすることができます。

画像出典:Skyscanner公式サイト
航空会社や予約サイトによって、実は呼び方が少し異なります。以下の用語を見つけたら、「オープンジョーのことだな」と思ってくださいね。
- 複数都市 (Multi-city)
- 周遊航空券・周遊フライト (Multi-destination)
- オープンジョー (Open-jaw)
オープンジョーを利用する3つのメリット
では、このオープンジョーを利用すると、具体的にどんな良いことがあるのでしょうか?
1. 最初の都市に戻る必要がない(時間と交通費の節約)
最大のメリットは、帰国のためにわざわざ最初の都市へ戻る必要がないことです。 先ほどの例で言えば、せっかくローマまで南下したのに、帰りの飛行機に乗るためだけにロンドンへ戻る必要はありません。そのための移動時間や、電車や飛行機などの交通費もすべて節約できます。
2. 空港の「税金」の違いを利用して安くできる
ヨーロッパの各空港は、空港施設使用料、各種税金、燃油サーチャージなどの諸費用に大きな差があります。そして重要なのが、これらの費用の多くは「出発時(出国)」に高く課せられ、「到着時(入国)」にはほとんどかからないという点です。
つまり、「税金が高い空港」から入国し、「税金が安い空港」から出国して帰国するルートを組むのがポイントです。そうすれば、単純な往復航空券を買うよりも、トータルコストをグッと抑えることができます。
目安として、ヨーロッパの税金が高い空港と安い空港を5つずつリストアップしてみました。
出国時の税金が高い空港 ワースト5
- イギリス・ロンドン:
世界的にも空港税の高さで悪名高いです。イギリスのAPD(航空旅客義務税)は距離が遠く、座席クラスが高くなるほど跳ね上がります。ロンドンから帰国すると、他都市より数万円も高くなることが……。 - フランス・パリ:
ここは空港利用料自体が高く設定されています。そのうえ、連帯税(福祉・環境目的)もチケットに別途上乗せされます。そのため、ロンドンに次いで割高な空港となっています。 - ドイツ・フランクフルト/ミュンヘン:
ドイツも環境保護の名目で航空交通税を徴収しています。長距離の国際線で出国する際はかなり高い税金が課せられます。 - オランダ・アムステルダム:
エコ政策の一環で飛行機税が大幅に引き上げられました。かつては乗り継ぎ空港として人気でしたが、税金の影響で少し旨味が減ってしまいました。 - スイス・チューリッヒ:
政府の特別な税というより、スイス自体の高い物価がそのまま空港施設利用料に反映されており、ベースとなる費用が高いです。

出国時の税金が安い空港 ベスト5
- スペイン・マドリード/バルセロナ:
西ヨーロッパで最も税金が安い国のひとつ。イギリスやフランスから入国し、スペインから出国するルートもおすすめです。これは旅の達人たちの間でも、クラシックな定番ルートとして知られています。 - イタリア・ローマ/ミラノ:
スペインと同様に出国時の税負担が軽いです。ヨーロッパ大陸を北から南へ下る日程にぴったり。 - ポルトガル・リスボン:
イベリア半島の端にあるため、旅行の動線が組みやすいのが特徴です。しかも近隣の西欧諸国に比べて出国税がとても安く、コスパ抜群の空港として最近人気を集めています。 - チェコ・プラハ / ハンガリー・ブダペスト:
東欧・中欧の国々は、全体的に航空関連の税金が安く設定されています。 - トルコ・イスタンブール:
地理的にヨーロッパとアジアの境界にあるため、ヨーロッパ周遊の出入り口として組み合わせるのに非常に優秀です。

だからこそ、「ロンドンから入国し、ローマから出国する」ルートは、その逆の「ローマから入国し、ロンドンから出国する」ルートよりも必然的に安くなる傾向があるんですね。
3. 途中区間のフライトもまとめてお得に(手荷物ルールの統一)
オープンジョーは2回のフライトだけでなく、3回以上のフライトを組み合わせることも可能です。ただし、これは個別に手配する場合とどちらが安いか、しっかり比較する必要があります。
たとえば、「東京〜ロンドン」「ロンドン〜パリ」「ローマ〜東京」という3区間のオープンジョーにするか、あるいは「ロンドン〜パリ」間だけをLCC(格安航空会社)や高速鉄道(ユーロスターなど)で別途手配するかは、総額を見て決めるのがベストです。
しかし、アメリカ旅行のような広大な国での国内線移動が含まれる場合、オープンジョーの強みが一気に発揮されます!
「東京〜ニューヨーク」「ニューヨーク〜シカゴ」「シカゴ〜東京」のように1つの航空券として予約すると、途中の国内線(ニューヨーク〜シカゴ)も「長距離国際線の手荷物ルール」が適用されることが多いのです。 アメリカの国内線は、預け荷物が有料になるのが一般的です。
しかし、国際線とひとまとめにして予約すれば預け荷物が無料になるケースがほとんどです。結果的に、LCCを別で予約するよりずっと安く、スムーズに移動できますよ。
予約時の注意点(失敗しないために)
オープンジョーを予約する際、いくつか気をつけたいポイントがあります。
- 同一航空会社、または同じアライアンスで組むこと。
オープンジョーは「複数のフライトを1つの航空券として発券する」からこそ安くなります。スカイスキャナーなどの検索サイトで「複数都市」で検索した際は、少し注意が必要です。もし別々の予約サイトに飛ばされ、それぞれ別々に決済する形になっていませんか?それだと単に、「高額な片道航空券を2枚買っているだけ」になってしまいます。 - 移動手段の「総コスト」と「時間」を比較する。
最初の都市と最後の都市の間をどう移動するか。その間のLCC、高速鉄道、長距離バスの料金と移動時間をすべて加味したうえで、オープンジョーにするか、単純往復+別手配にするかを検討してみてくださいね。
まとめ
- ヨーロッパやアメリカの複数都市を巡るなら、往復ではなくオープンジョー(複数都市)で検索してみる。
- 帰りの移動費や時間をカットでき、効率的なルートが組める。
- 出国税のルールを利用し、「税金が高い空港(ロンドン・パリ等)から入国」し、「税金が安い空港(ローマ・マドリード等)から出国」するとトータル費用が安くなる。
- アメリカ旅行などでは、国内線もオープンジョーに組み込むことで国際線の手荷物ルールが適用され、LCCを別手配するよりお得になることが多い。
よくある質問 (FAQ)
Q1. オープンジョーの航空券はどうやって検索すればいいですか?
航空会社の公式サイトや、スカイスキャナーなどの航空券比較サイトの検索画面で「往復」「片道」の横にある「複数都市(Multi-city)」というタブを選択してください。そこでフライトごとに希望の区間と日付を入力すれば検索できます。
Q2. 片道航空券を2枚買うのとは違うんですか?
全く違います!国際線の場合、片道航空券は往復運賃の半額ではなく、割高な普通運賃が適用されることがほとんどです。オープンジョーは、システム上「往復航空券の一種」として扱われます。そのため、しっかり割引運賃が適用されて安く購入できるんです。
Q3. LCC(格安航空会社)でもオープンジョーは予約できますか?
LCCはもともと「片道ずつの積み上げ方式(Point-to-Point)」で料金が計算されます。したがって、往復で買っても片道で買っても、ベースの料金自体は変わりません。そのため、LCCを利用する場合はは「行き」と「帰り」を別々の片道として予約しても、オープンジョーと同じような感覚で無駄なく手配することが可能です。


