海外に行くと、なぜか肌に小さな吹き出物ができたり、お腹がシクシク痛くなったりしませんか?私もヨーロッパを旅するたびに悩まされていた症状です。髪を洗った後にギシギシになったり、肌の調子が悪くなったり、お腹を下してしまうこともありますよね。男性の中には、髭剃り後の肌のダメージがいつもよりひどいと感じる方もいるようです。
最初は時差ボケによる疲労や、現地の食事が合わないからだと思っていました。でも実は、毎日飲んだり浴びたりしている「水」が関係している可能性もあると感じました。
今回は、ヨーロッパ旅行の準備で知っておきたい、石灰水(硬水)による水あたりの原因と、現地で慌てずに対処しやすくするための実践的なヒントをまとめました。
日本の「キュッキュッ」とする水とヨーロッパの「ヌルヌル」する水の違い
水あたりの最大の原因は、水に溶け込んでいるミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)の含有量の違いにあります。これを「硬度(Hardness)」と呼びます。
- 日本の水(軟水, Soft Water):ミネラル含有量が少なく、口当たりがまろやかで石鹸の泡立ちが良いのが特徴です。洗顔後に肌が「キュッキュッ」とする感覚があります。
- ヨーロッパの水(硬水, Hard Water):アルプス山脈などの石灰岩地帯を通ってくるため、カルシウムやマグネシウムが多量に溶け込んでいます。いわゆる「石灰水」であり、石鹸が泡立ちにくく、洗い流した後も肌にヌルヌルとした残留感があります。
一生涯、軟水に適応してきた日本人の胃腸や肌が、急に高濃度のミネラルに触れると、それをうまく消化・排出できず、結果として「腹痛」や「肌荒れ」という形でトラブルを起こしてしまうのです。
飲み水に注意:ミネラル豊富な「エビアン」が水あたりを引き起こす?
ヨーロッパのスーパーに行くと、最も馴染みがあり高級感のあるミネラルウォーターといえば、フランスの「エビアン(Evian)」ですよね。そのため、旅行者が無意識にエビアンを手に取ってしまうことが多いのです。ただ、お腹が弱い方や硬水に慣れていない方にとっては、エビアンのようなミネラル分が多い水が重く感じられることがあります。
エビアンは、カルシウムとマグネシウムの含有量が非常に高い代表的な「硬水」です。特に水中に多量に含まれるマグネシウムイオンは、腸内に水分を強く引き寄せる「浸透圧作用」を引き起こします。

胃腸が敏感な状態でこのような水を飲むと、腸が刺激されて軟便になったり、腹痛(水あたり)を起こしたりしてしまいます。せっかく買ったミネラルウォーターでも、体質や体調によっては合わないことがあります。
スーパーで買える!お腹を壊さない安全な水の選び方
では、現地のスーパーではどの水を選べばいいのでしょうか?私の場合は、「ミネラル含有量が低く、日本のミネラルウォーターと数値が近い水」を選ぶようにしています。

おすすめの低ミネラルウォーター
- フランス・全域:ボルヴィック(Volvic)
エビアンとは異なり火山岩の地層から採水されているためミネラルが少なく、口当たりが日本の水に最も近いです。 - イタリア:サンタンナ(Sant’Anna)
赤ちゃんのミルクにも使えるほどミネラル含有量が非常に低いです。アクアパンナ(Acqua Panna)も無難でおすすめです。 - ドイツ・東欧:プラニア(Purania) または、スーパーのPB(プライベートブランド)商品のうち、成分表の数値が低いものを選びましょう。
実践的な購入のコツ(ラベルの読み方)
ボトル裏面の成分表を必ず確認してください。
- 蒸発残留物(Residuo Fisso / Dry Residue):硬水が気になる方は、できるだけ数値が低めのものを選ぶと飲みやすいことがあります。イタリアでは、ラベルに「Oligominerale」と書かれているものを目安にするのも一つの方法です。
- カルシウム(Ca)&マグネシウム(Mg):この2つの数値が一桁、あるいはできるだけ低いものを選んでください。
洗う水も問題:髪のゴワゴワや肌荒れを防ぐ「旅行用シャワーフィルター」
飲み水は買って済ませられますが、お風呂や洗顔で使う水は避けて通れません。石灰水でシャワーを浴びると、水中のカルシウムやマグネシウムイオンがシャンプーやボディソープの脂肪酸と結合し、「金属石鹸(Soap Scum)」という目に見えない微細なカスを作り出します。
硬水では、石けんやシャンプーの泡立ちや洗い上がりが日本と違って感じられることがあります。旅行中に肌の乾燥や髪のきしみが気になる方は、旅行用のシャワーフィルターを持参するのも一つの方法です。
- フィルターの選び方:一般的な不純物フィルターに加えて、ビーズ状の塩素・石灰除去ボール(塩素除去フィルター)が含まれている製品がおすすめです。
- 水圧アップ機能:ヨーロッパのホテルは水圧が弱いことが多いので、水圧上昇機能が付いているシャワーヘッドを持っていくと一石二鳥ですよ。
水洗顔を最小限にするスキンケアと必須の常備薬
シャワーフィルターを使ったとしても、水の硬度や肌への感じ方は人によって異なります。私の場合は、肌の乾燥が気になるときは水洗顔を控えめにし、クレンジングウォーターや保湿クリームを使うようにしています。
- クレンジングウォーターの積極的な活用
洗顔フォームを泡立てて水でキュッキュッと洗い流す代わりに、クレンジングウォーターをコットンにたっぷり含ませて拭き取る方法に切り替えましょう。朝の洗顔も、水の代わりにトナーパッドで軽く拭き取るほうが肌のバリア機能を守るのにずっと効果的です。 - 保湿クリームはたっぷりと
石灰水は肌を極度に乾燥させます。普段よりも保湿力が高く、こってりとしたテクスチャーのクリームを持参してください。 - 止瀉薬(下痢止め)などの常備薬の準備
万が一お腹を下してしまった時のために、普段から飲み慣れている止瀉薬や胃腸薬は必ず日本から持っていきましょう。
まとめ
ヨーロッパ旅行中に硬水が気になる方は、事前に対策を知っておくと安心です。
- 飲み水は、ボルヴィックやサンタンナなど、ミネラル分が低めの水を選ぶ。
- シャワー後に肌や髪が気になる場合は、旅行用シャワーフィルターを検討する。
- スキンケアは、クレンジングウォーターや保湿クリームを活用する。
- 万が一に備えて、普段から飲み慣れている胃腸薬などを準備しておく。
これらをしっかり準備して、肌トラブルや体調不良に悩まされない、快適で楽しいヨーロッパ旅行を満喫してくださいね!
よくある質問 (FAQ)
Q1. ヨーロッパでレストランに入った時、安全な水を注文するにはどうすればいいですか?
A1. レストランで提供される水道水(Tap water)は、地域によって硬度が高いことがあります。お腹が弱い方や硬水に慣れていない方は、「Still water, please(炭酸なしのミネラルウォーターをお願いします)」と注文し、できればミネラル分が低めの水を選ぶと安心です。
Q2. 旅行用シャワーヘッドはどこのホテルでも取り付け可能ですか?
A2. ヨーロッパのホテルでは、交換可能なシャワーホースが使われていることもありますが、すべてのホテルで取り付けできるとは限りません。一部の古いホテルや壁掛け固定式のシャワーでは交換できない場合もあるため、事前に形状を確認できると安心です。
Q3. クレンジングウォーターだけで本当にメイクは落ちますか?
A3. 軽いメイクであれば、クレンジングウォーターで落としやすい場合があります。ただし、ウォータープルーフのマスカラなど濃いポイントメイクをしている場合は、専用のポイントメイクリムーバーを併用すると安心です。
硬水・飲み水を確認するときに参考になる公式サイト
ヨーロッパでは地域によって水の硬度が大きく異なるため、旅行中に飲み水やシャワーが気になる場合は、ボトルのラベルや現地の水道情報を確認しておくと安心です。
最終的な感じ方は、体質、体調、滞在期間、飲む量、使っているスキンケア用品によって変わります。体調不良が続く場合は、水だけで判断せず、必要に応じて医療機関や薬剤師に相談してください。


