旅行好きの方なら、誰しも一度は「死ぬまでにオーロラを見てみたい」と思ったことがあるのではないでしょうか? 私もその一人で、コロナ禍前の2019年2月に、念願のオーロラを見に行く旅に出ました。
しかし、オーロラは極地に行けば必ず見られるというものではありません。 実際、私の友人にはこんな悲しい経験をした人がいます。
- 過去に3回挑戦したが、一度も見られなかった。
- フィンランド旅行の最終日に「今回もダメだった…」と連絡をくれた。
せっかく高い旅費をかけて行くのですから、失敗したくないですよね。 そこで今回は、私が実際にオーロラを見るために徹底的に調べ、実践した「オーロラを見る確率を上げる方法」をシェアします。
まずは基本:時期と場所選び
ご存知の方も多いと思いますが、オーロラ観測のベストシーズンは11月から2月の真冬です。 そして、まずは「どこへ行くか」を決めなくてはなりません。
日本からのアクセスや費用を考えると、以下の選択肢が一般的です。
- アラスカ・カナダ: 日本から距離的に近く、航空券も比較的探しやすい。
- 北欧(アイスランド、ノルウェー、フィンランド): 他のヨーロッパ諸国と周遊できるが、物価が非常に高いのがネック。
- ロシア(ムルマンスク): 私が訪れた場所です。当時は航空券も物価も安かったのですが、現在は情勢的に渡航が困難です。
行き先が決まったら、次に重要なのが「いつ行くか」という具体的な日程選びです。 ここで、オーロラ遭遇率を左右する3つの重要な条件について解説します。
オーロラを見る確率を左右する3つの条件
ただ漠然と冬に行くだけでは不十分です。 私が日程を決める際に最優先した条件は、「オーロラ指数」「月の大きさ」「天気」の3つでした。 これらがなぜ重要なのか、一つずつ見ていきましょう。
1. オーロラ指数(Kp index)をチェックする
オーロラは、太陽から放出された粒子が地球の磁場に引き寄せられ、大気と衝突して光る現象です。 この粒子の強さを表すのがKp index(オーロラ指数)です。
- 数値: 0から9で表示されます。
- 目安: 肉眼ではっきりと見るためには、Kp 4以上が望ましいと言われています。
- 予測: Kp指数は、約25日先までの予測データを確認できます。
私は「My Aurora Forecast」というアプリを活用していました。 このアプリでは、1ヶ月先までの予測Kp指数や、現在のオーロラ発生状況をリアルタイムで確認できます。 地図上でオーロラベルトが緑→黄→赤と強くなる様子が見られるので、旅行中も必見です。
App Store「My Aurora Forecast」
Google Play「My Aurora Forecast」

画像出典:My Aurora Forecast公式アプリ
2. 月の大きさ(月齢)を避ける
オーロラは「光」です。そのため、周囲が暗ければ暗いほど鮮明に見えます。 ここで意外と盲点なのが「月の明るさ」です。
満月の夜は月明かりが強すぎて、淡いオーロラの光をかき消してしまうことがあります。 逆に、月が出ていない新月の時期ほど、観測には適しています。
旅行の日程を決める前に、Googleで「月齢カレンダー」と検索してみてください。 なるべく月が小さい時期を狙って航空券を予約することを強くおすすめします。
3. 天気(雲の量)を見極める
これが最も運に左右される要素ですが、晴天であることは絶対条件です。
- 理由: オーロラは雲よりも高い位置(宇宙空間に近い場所)で発生します。
- 影響: 雪が降っていたり、厚い雲に覆われていたりすると、物理的にオーロラは見えません。
天気予報をチェックし、晴天率が高い地域や時期を選ぶのも一つの戦略です。
お金を惜しまず「オーロラ専門ガイド」を予約すべき理由
旅費を節約するために、「レンタカーを借りて自力でオーロラを探す」という方もいます。 しかし、私はこの方法を全くおすすめしません。
初めて訪れる極寒の地で、街灯もない真っ暗な雪道を運転するのは非常に危険です。 さらに、携帯の電波が届かないエリアへ入り込む可能性もあります。
プロに頼るメリット
私は迷わず現地のオーロラハンティングツアー(専門ガイド)を利用しました。 その理由は明白です。
- 経験値が違う: 何十年もその地で空を見ているため、観測ポイントを熟知している。
- ネットワーク: ガイド同士が無線で連絡を取り合っています。「あっちで見えた!」という情報が入れば、すぐにその場所へ移動してくれます。
実際、私の旅の日程は「新月」ではなく「半月」の頃で、天気予報も「雪」でした。 しかし、ガイドさんのネットワークのおかげで、雲の切れ間を探し当て、見事なオーロラを見ることができました。 これは個人の力では絶対に無理だったと思います。
最後に:防寒と撮影のコツ
最後に、準備しておくと良い「プラスアルファ」の情報をまとめておきます。
- 防寒は命がけで: 「雲がない=放射冷却でさらに寒い」ということを忘れないでください。 マイナス20度、30度の世界で深夜に長時間待機します。スキーウェア以上の装備が必要です。
- 三脚は必須アイテム: 一眼レフでもスマホでも、オーロラ撮影には「長秒露光(シャッターを長く開ける)」が必要です。 手持ち撮影では絶対にブレてしまいます。必ず三脚を持参しましょう。
しっかりと条件を整えて、一生の思い出になる素晴らしいオーロラに出会えますように!

よくある質問(FAQ)
Q1. スマホのカメラでもオーロラは撮れますか?
A. はい、最近のスマホなら撮影可能です。ただし、「ナイトモード」を使用し、手ブレを防ぐために必ず三脚で固定してください。手持ちではブレて綺麗に写りません。
Q2. 結局、何月に行くのが一番確率が高いですか?
A. 統計的には11月〜3月が良いとされていますが、特に秋分・春分の前後(9月・3月)は太陽活動が活発になると言われています。ただ、天候の安定性も重要なので、行先の晴天率もあわせて確認しましょう。
Q3. 服装はどのくらい着込めばいいですか?
A. 「これでもか」というくらい重ね着してください。ヒートテックなどのインナーを重ね、ダウンジャケットの上にさらに防風のアウターを着るのが基本です。特に足元(靴下2枚履き+スノーブーツ)と手袋は重要です。


