今回の記事は、旅も終盤に差し掛かった5つ目の大陸、アフリカ大陸のエジプト・ダハブに到着してからのエピソードです。
世界中のバックパッカーから「恋するダハブ」や「旅人の墓場(沈没地)」と呼ばれるこの街。 そして何より、ここは「ダイバーの聖地」でもあります。
今回は、そんなダハブで私が体験したフリーダイビング(AIDA2)への挑戦について綴ります。 少し変わった「韓国人宿」での滞在記と合わせてお楽しみください。
なぜ日本人の私が「韓国人専用ゲストハウス」へ?
ダハブは「ダイバーの聖地」と呼ばれるだけあって、ダイビング以外にも多くのアクティビティが楽しめる場所です。 しかし、これらを一人旅で満喫するのは少しハードルが高いですよね。
そこで私が選んだ滞在先は、なんと韓国人専用のゲストハウスでした。
実は私、韓国語がネイティブ並みに話せるんです。 韓国旅行中なら、会話だけでは私が日本人だと気づかれないレベルだと自負しています(笑)。
海外には「日本人宿」もありますが、静かに過ごすことが多いですよね。 一方で、韓国のゲストハウスには「ゲスト同士を即座に仲間にする」独特のシステムがあります。 具体的には、毎晩のように全員で夕食を食べたり、その場で翌日のツアーメンバーを集めたり……。
ダハブという特別な場所で、一人ぼっちになりたくない。 そんな思いから、私は自分の語学力を活かして、この賑やかなコミュニティの中に飛び込みました。
「私だって韓国語が得意だから、韓国人専用ゲストハウスに泊まってみたい!」という方のために、韓国人専用ゲストハウスの予約方法についてまとめた記事がありますので、ぜひチェックしてみてください。
👉[韓国人専用ゲストハウスの予約術:予約サイト「민다」の使い方]
運命の「モテ・フレンゼル」判明

ダハブに到着した初日の午後は、長距離移動の疲れを癒すためにのんびりと過ごしました。 そして夜、ゲストハウス恒例の夕食会(パーティー)に参加したときのことです。
すると、そこに集まる旅人たちが口を揃えて言うのです。
「せっかくダハブに来たなら、フリーダイビングのライセンスを取らないと損だよ!」
そして、ある先輩ダイバーから奇妙な指示を受けました。 「ちょっと鼻をつまんで、頭の中に空気を送ってみて?」
そこで、言われるがままにやってみました。 「これって、飛行機が着陸する前に耳抜きをするような感じですか?」と尋ねると、相手は驚いた顔でこう言いました。
「君は、フリーダイビングをするために生まれてきた人だ」
選ばれし才能?
実は、彼らが確認していたのは、深い水深で鼓膜や副鼻腔の圧力を調整する「フレンゼル」という技術ができるかどうかでした。 この技術、いくら練習してもなかなか習得できない人も多いそうです。
しかし、私のように最初から感覚的にできてしまう人のことを、韓国のダイバー用語で「母胎(モテ)フレンゼル」と呼ぶのだとか。 つまり、「お母さんのお腹の中にいる時からできていた」という意味です。
「一番重要なスキルが最初からできるなら、やらない理由がない!」 そんな熱い説得(という名の勧誘)にすっかりその気になってしまった私。 なんと、滞在していたゲストハウスのオーナーさんも現役のフリーダイビングインストラクターでした。
こうして、翌日から他のゲストと一緒に講習を受けることになったのです。
フリーダイビング・AIDA2講習スタート
私が申し込んだのは、国際的なフリーダイビング団体「AIDA(アイダ)」のレベル2(AIDA2)コースです。 ちなみにAIDA1は体験レベルのため、本格的に学びたい人はAIDA2から始めるのが一般的だそうです。
1日目:理論と筆記試験
初日は海には入らず、座学が中心でした。 フリーダイビングの物理学、身体の仕組み、そして最も重要な安全管理(セーフティ)について学びます。 最後に筆記試験を受け、間違った問題のレビューまで含めて約3時間ほどで終了しました。

2日目以降:いざ、紅海の中へ
2日目からは、いよいよ海での実技講習です。 ダハブが「聖地」と呼ばれる理由。 それは、波が穏やかで透明度が高く、ビーチから少し泳ぐだけですぐに水深が深くなるという、完璧な地形にあります。
泳ぎは苦手ではありませんでしたが、底が見えるほど透明でありながら、どこまでも吸い込まれそうな深い青。 その光景は、神秘的であると同時に、少し恐怖も感じさせるものでした。
AIDAの実技合格基準
まず、AIDAの講習スタイルは少し独特です。 一般的に「練習してから最後にテスト」ではなく、「講習中に一度でも基準を満たせば合格」という方式(チェックオフ)でした。
私が挑戦したAIDA2の合格基準は以下の通りです。
- STA (Static Apnea / スタティック・アプネア)
- 水面に顔をつけ、息を止めて浮く種目。
- 合格基準:2分以上
- FIM (Free Immersion / フリー・イマージョン)
- ロープを掴んで手繰り寄せながら潜降・浮上する種目。
- DYN (Dynamic Apnea / ダイナミック・アプネア)
- フィンを使い、水中で水平方向に泳ぐ距離を測る種目。
- 合格基準:40m以上
- CWT (Constant Weight / コンスタント・ウェイト)
- ロープには触れず、フィンキックの力だけで垂直に潜る、フリーダイビングの花形種目。
- 合格基準:16m以上
- Rescue (レスキュー)
- 水深の深い場所で意識を失ったバディ(仲間)を水面まで引き上げ、適切な救助を行う手順。
これらを3〜4日間かけてクリアしていきます。 ダイビング専用のスーツは保温性が抜群で、一度海に入ると平均して3時間ほど練習を続けました。
結果として、私はやはり「モテ・フレンゼル」のおかげで耳抜きに苦労せず、期間内にすべての項目をスムーズにクリアすることができました!
ダイビング以外のダハブの楽しみ方
昼間はストイックに海に潜り、夜はゲストハウスに戻ってリラックス。 みんなでボードゲームに熱中したり、夜の商店街を散策したりと、本当に充実した日々でした。
ダハブの街歩きやお土産、美味しい食事については、以前の記事に詳しくまとめています。 これから行く予定の方は、ぜひ参考にしてくださいね。
また、ダイビング以外のアクティビティについても、こちらで紹介しています。

まとめ
旅の途中で偶然出会ったフリーダイビング。 最初は「怖いかも」と思っていましたが、自分の呼吸と向き合い、静寂な海と一体になる感覚は、他では味わえない特別な体験でした。 もしダハブに行く機会があれば、ぜひ挑戦してみてください。きっと新しい自分に出会えるはずです。
よくある質問 (FAQ)
Q1. 泳ぎが苦手でもフリーダイビングはできますか?
A1. ある程度の水慣れは必要ですが、競泳のようなスピードは求められません。ウェットスーツやフィン(足ひれ)の浮力・推進力があるため、泳ぎが苦手な人でもライセンスを取得しているケースはたくさんありましたよ。
Q2. 英語や韓国語が話せなくても講習は受けられますか?
A2. ダハブには日本人インストラクターが常駐しているショップもいくつかあります。私は韓国人宿のインストラクターにお願いしましたが、言葉に不安がある方は日本人経営のショップを探すのがおすすめです。
Q3. AIDA2の取得には何日くらい必要ですか?
A3. 最短で3日間(学科1日+海洋2日)で終わることもありますが、天候や耳抜きの習得スピードには個人差があります。余裕を持って4〜5日ほどの日程を確保しておくと、焦らずに楽しめると思います。


