私は2026年1月の冬、イタリアへ一人旅に行ってきました。さて、今回の記事は、ローマ滞在3日目、1月18日(日曜日)のお話です。 この日はまずローマの喧騒を離れ、郊外にある「スローシティ」発祥の地、オルヴィエート日帰り旅行へ出かけました。そして夜には、ローマに戻ってトリュフ専門のファインダイニング『Ad Hoc』で最高のディナーを楽しみました。
実は当初、オルヴィエートを経由して「天空の城ラピュタ」のモデルとも噂されるチヴィタ・ディ・バーニョレージョに行きたかったのですが、ある理由で断念することになりました。そこで、その失敗談も含めて、アクセス方法を詳しくシェアしますね。
ローマ・テルミニ駅からオルヴィエートへ出発
まず、旅の始まりはローマの玄関口、テルミニ駅です。 私は10:20発のInterCity(インターシティ)を利用しました。
券売機でのトラブルと注意喚起
駅の自動券売機でオルヴィエート行きのチケットを買おうとしていたときのことです。 突然、見知らぬ人が私の操作画面を勝手にタッチしてきたり、手伝うふりをして近づいてきました。そして案の定、「手伝ったからチップをくれ」と要求してきたのです。
そこで、私はトラブルを避けるため、持っていたダミー財布(偽装用財布)から3ユーロコインを渡しました。すると相手は「これじゃ足りない、紙幣(Paper Money)をよこせ」と言ってきたのです。ただ、私のダミー財布にはあえてコインしか入れていなかったため、それ以上取られることなく3ユーロで済みました。
しかし、少額とはいえ、これは立派な詐欺被害です。 最近、イタリアやヨーロッパ旅行では、こうした観光客を狙った手口が増えています。私が実際に体験したり見聞きした事例をまとめた記事がありますので、渡航前にぜひ一度目を通してください。
注意!オルヴィエート行きのホームは「遥か彼方」
無事にチケットを買って安心したのも束の間、実はここからがもうひとつの試練でした。 ローマ・テルミニ駅は巨大なターミナルですが、オルヴィエート行きのInterCityが発着するのは、中央改札からすぐの場所ではありません。
多くの場合、駅の遥か奥にある「EST(エスト)」と呼ばれるエリア(1番線・2番線方面のさらに奥)が使われます。 改札を抜けてから、ひたすらホームを歩くこと5分以上。「本当にこっちで合ってる?」と不安になるくらい遠かったです。
もし出発時刻ギリギリに駅に着いていたら、物理的に間に合わなかったかもしれません。みなさんも、駅内の移動時間はたっぷりと余裕を持って行動してくださいね。

オルヴィエート観光の必須知識:交通チケットの選び方
さて、日帰り旅行で最初に悩むのが、「駅から街の中心部までどうやって行くか」です。 オルヴィエート駅は崖の下にあり、旧市街は崖の上にあるため移動が必要です。具体的には、選択肢は主に2つあります。
1. オルヴィエートカード (Carta Unica Orvieto)
- 価格: 35ユーロ(2026年1月現在)
- 購入場所: オルヴィエート駅向かいの観光案内所
- 特徴: ドゥオーモ博物館や地下都市など、主要な名所が入場可能。フニクリ(ケーブルカー)とバスの往復も含まれます。
- おすすめ: 街の有料施設をじっくり全て回る人向け。
2. オルヴィエート・リンク (Orvieto Link)
- 価格: 電車賃 + 少額(片道1.3ユーロ程度)
- 購入方法: トレニタリアの券売機で目的地を「Orvieto」ではなく「Orvieto Centro」に設定して購入。
- 特徴: オルヴィエート到着後、駅の有人窓口でチケットを交換します。最初の改札から90分間、フニクリとバスが乗り放題になります。

私が選んだのは「オルヴィエート・リンク」
今回、私は有料施設をあまり回らず、街の景色を楽しむことを優先したかったので、オルヴィエート・リンクを選びました。
- 通常のInterCityチケット: 17.5ユーロ
- オルヴィエート・リンク付き: 18.8ユーロ
差額はわずかです。したがって、街の雰囲気を味わうだけなら、リンク付きチケットが断然お得でおすすめです。
日曜日の罠:チヴィタ・ディ・バーニョレージョに行けなかった理由
冒頭でお話しした通り、本来は絶景の村「チヴィタ・ディ・バーニョレージョ」に行く予定でした。 しかし、行きの電車内で衝撃の事実を知ることになりました。
「チヴィタ行きのバスは、日曜日は運休する」
チヴィタは小さな村です。つまり、そこへ向かうバスは、主に地元の学生や通勤客のために運行されているため、日曜日はお休みになるのです。これが私がチヴィタに行けなかった最大の理由です。
もし行くなら:チヴィタへのアクセス方法(平日・土曜)
私のように失敗しないよう、調べた情報を整理しておきます。
- チケット購入: オルヴィエート駅構内のカフェテリアで、Cotral(コトラル)バスの往復券を購入。
- 乗り場: フニクリ駅前のバス停から乗車。
- 所要時間: バスで約50分。
- 下車後: バス停から「Civita」の看板に従い、徒歩約30分で村の入口へ。
【バス運行スケジュールの目安】
- オルヴィエート発: 06:30〜18:35(平日1日10本、土曜8本、日曜運休)
- バーニョレージョ発: 05:20〜17:30(平日1日14本、土曜9本、日曜運休) (※時刻は変更される可能性があるため、必ず現地で最新情報を確認してください)

オルヴィエートの街歩きと予期せぬお祭り
その後、ローマ・テルミニ駅から約1時間20分でオルヴィエート駅に到着しました。 驚いたことに、イタリアの電車なのに予定より7分も早く到着しました。「本当にここであってる?」と不安になるほどでした。

聖アントニオ・アバテの祝福
駅の窓口でオルヴィエート・リンクのチケットを交換し、フニクリで崖の上の街へ。さらにバスに乗り換え、街の中心であるドゥオーモ(大聖堂)へ向かいました。
ドゥオーモ広場に着くと、何やら賑やかな雰囲気です。 馬に乗った人々や、小さなポニーに乗った子供たちがたくさん集まっていました。
ちなみに、後で調べてみると、この日は「聖アントニオ・アバテ(Sant’Antonio Abate)」の祝日に関連した行事だったようです。彼は動物や家畜の守護聖人で、年に一度、動物たちの健康を祈るために集まるのだとか。前日のバチカンでも騎馬隊を見かけましたが、偶然にもイタリアの伝統行事に触れることができてラッキーでした。

中世の街並みに癒やされて
その後は、中世の面影が残る路地を散策しました。 街の外郭にある城壁の上からは、ウンブリア州の美しい田園風景が一望できます。ずっとローマの都会にいたので、自然と調和した景色を眺めているだけで心が穏やかになりました。
街を一周して、オルヴィエート・リンクの有効時間(90分)が近づいた頃、徒歩でフニクリ駅まで戻り、崖の下へ降りました。チヴィタに行けなかったのは残念でしたが、オルヴィエート日帰りの散策としては十分楽しめました。

一方で、ランチは時間がなかったので、駅のカフェテリアで切り売りのピザを軽く食べました。(もし日曜日じゃなければ、ここでバスチケットを買っていたはずなのですが……悔しいです!笑)
帰りは14:13発のInterCityに乗り、16:20にローマへ戻りました。料金は行きと同じ17.50ユーロでした。
ローマの夜:スペイン広場と友人との再会
ローマに戻ってホテルで一休みした後、夜の街へ繰り出しました。 実は、ベネチアでも旅程が重なり1日一緒に観光した知人が、ちょうどローマにも来ているとのことで、夕食をご一緒することにしたのです。
待ち合わせの19時まで少し時間があったので、スペイン広場へ。 夜になっても観光客でいっぱいです。ローマの休日のようなロマンチックな雰囲気を感じつつ、レストランへ向かいました。

トリュフ尽くしのファインダイニング「Ad Hoc」
この日のメインイベント、夕食はトリュフ料理で有名な『Ad Hoc(アド・ホック)』です。 店内に入ると、壁一面にワインボトルがずらりと並んでいます。なんと数千種類ものワインを取り揃えているそうです。
コース内容:ローマスタイルとワインペアリング
私たちが注文したのは、「Food & Wine tasting menu Roman style cuisine」。 ローマの伝統料理をベースにしたコースに、それぞれの料理に合うワインが付いてくるセットです。
- 料理のみ: 79ユーロ
- ワインペアリング付き: 95ユーロ
- 席料: 1人6ユーロ
また、このお店の素晴らしいところは、スタッフのサービスです。 料理の説明がとても丁寧で、使用するトリュフをテーブルまで持ってきて、香りや状態を確認させてくれるのです。これには感動しました。

料理とワインのマリアージュ
ワインペアリングもただボトルから注ぐだけではありません。 ある皿にはシャンパン、また別の皿には2種類のワインをその場でブレンドしたものなど、メニューに合わせて徹底的に計算されていました。メインからデザートワインまで、計6杯ほど提供されたと思います。
加えて、料理はどれも芸術品のように美しく、味付けも完璧でした。 そして何よりボリューム満点!コースの最後にはお腹がはち切れそうでした。帰り際、お会計を済ませるとMancini(マンチーニ)の生パスタをお土産にいただきました。
決して安くはありませんが、これだけのクオリティの料理とワインを楽しんで95ユーロというのは、ファインダイニングとしては驚異的なコストパフォーマンスだと感じました。

まとめ
今回のオルヴィエート日帰り旅行とディナーのポイントをまとめます。
- 日曜日は注意: チヴィタ・ディ・バーニョレージョ行きのバスは日曜運休。
- チケット: 観光重視でないなら「オルヴィエート・リンク」が便利でお得。
- 治安: 駅の券売機付近では、親切を装った詐欺に気をつけて。
- グルメ: ローマの『Ad Hoc』は、トリュフとワイン好きなら絶対に行くべき名店。
チヴィタに行けなかったのは心残りですが、その分オルヴィエートの街をゆっくり歩き、夜には最高の食事を楽しむことができて、結果的には大満足の1日でした。
❓ よくある質問 (FAQ)
Q1. オルヴィエート駅から街の中心部までは歩けますか?
A1. 歩くことは可能ですが、おすすめしません。街は高い崖の上にあるため、かなり急な坂道を登ることになります。フニクリ(ケーブルカー)を使えば数分で快適に到着できるので、基本的にはフニクリの利用をおすすめします。
Q2. チヴィタ・ディ・バーニョレージョへ行くのにベストな曜日はいつですか?
A2. バスが確実に運行している平日(月〜金)が最も安心です。土曜日も運行していますが本数が少し減ります。日曜・祝日はバスがないため、レンタカーやタクシーを利用しない限りアクセスは難しいでしょう。
Q3. レストラン「Ad Hoc」に行く際の服装(ドレスコード)は?
A3. ファインダイニングですが、そこまで厳格なドレスコードはありませんでした。スマートカジュアル(きれいめの服装)であれば問題ありません。ただし、ビーチサンダルや短パンなどは避けたほうが無難です。


