私は2026年の1月に、冬のイタリアを旅してきました。今回の旅で、ヨーロッパ旅行は通算5回目になります。
「これだけ行っていれば、もう旅慣れたもの」
実は、私の中にそんな慢心があったのかもしれません。しかし、そんな自信を一瞬で打ち砕くほど、今回の旅では観光客を狙った詐欺やトラブルに何度も遭遇しました。
恥ずかしながら、今回の旅で私も詐欺の被害に遭ってしまいました。たった一つのトラブルでも、旅の気分が大きく落ち込んでしまうことがあります。
私のこの悔しい経験が、これからイタリアへ行く皆さんの役に立ち、被害を未然に防ぐきっかけになればと思い、この記事を書くことにしました。
※この記事は、私が2026年1月にイタリアを旅行した際に実際に遭遇・目撃した詐欺の手口と、その後に考えた対策をまとめた体験談です。治安状況や犯罪の手口は時期・都市・エリアによって変わるため、渡航前には外務省や在外公館などの公式安全情報も確認してください。
私が実際に遭遇・目撃した詐欺の手口
まずは、私が今回の旅で実際に体験したこと、そして目撃した手口を包み隠さずお話しします。
1. ミサンガ(ブレスレット)の強引な押し売り
これは最もポピュラーですが、振り切るのが難しい手口です。ローマのコロッセオや、ミラノのスフォルツェスコ城正門など、警察が近くにいない有名な観光地で多発しています。
彼らは複数人のグループで行動しており、観光客に声をかけながら近づいてくるのが特徴でした。
手口の流れ:
- 「どこから来たの?」「靴が素敵だね」などとフレンドリーに近づいてきます。
- 「これはアフリカの伝統文化で、プレゼント(無料)だ」と言って安心させます。
- 拒否する隙を与えず、手首を掴んで勝手にミサンガ(紐のブレスレット)を結びつけます。
- 結んだ瞬間、態度が急変して金銭を要求します。
- 小銭を渡すと、「紙幣(Paper money)を出せ」とさらに詰め寄ってきます。

ミラノでの私の被害体験
ミラノのスフォルツェスコ城の正門での出来事です。そこには観光客の数と同じくらい、多くのグループが待ち構えていました。警察の姿もなく、避けて通るのは困難な状況でした。
私は身長185cmくらいありそうな大柄な男性に捕まってしまいました。そして、彼は私の手首を強引に掴み、あっという間にミサンガを結びつけました。もちろん最初は小銭で済ませようとしましたが、彼の要求はエスカレートするばかり。
その結果、強い圧力をかけられ、最終的に38ユーロ(約6,000円)を支払わされてしまいました。

ローマでの体験
ローマのコロッセオ周辺にも同様のグループがたくさんいました。 この時は、一切の反応をせず、ポケットから手を出さないようにして無視を決め込みました。すると、彼らは私の二の腕を強くつねってきたのです。
幸い、ローマで遭遇したグループはミラノの時ほど大柄ではなく、進路を完全に塞がれることはなかったので逃げ切ることができました。しかし、精神的なダメージは大きかったです。
2. 絵画踏ませ詐欺(押し売り)
次によく見かけるのが、地面に絵を置いて踏ませようとする手口です。フィレンツェのドゥオーモ周辺やウフィツィ美術館近くの路地、ローマの細い道などで見かけます。
手口の流れ:
- 地面に安っぽい印刷物の絵を並べておきます。
- 仲間が通行人を突き飛ばしたり、足をかけたりして、その絵を踏むように誘導します。
- 絵を踏んでしまうと、「弁償しろ」と法外な値段を請求します。
- 以前は100ユーロと言われていましたが、最近は150ユーロに値上がりしているそうです。
フィレンツェでの目撃談
私はフィレンツェのドゥオーモ近くの路地でこれを目撃しました。事前に宿のオーナーからこの手口を聞いていたため、すぐに気づいて距離を取ることができました。
私が見た場面では、日本人や韓国人など、アジア系に見える観光客に対して特に強く声をかけているように感じました。現地の言葉や英語が苦手なアジア人に対し、強い口調でまくし立てて金銭を奪おうとします。
実際、私が写真を撮ろうとした瞬間、西洋人の観光客がその絵を踏んでしまいました。しかし、詐欺グループは彼らには何も言わず、そのまま見逃したのです。ターゲットを明確に選んでいるのが分かり、ゾッとしました。

3. 切符購入の自称「親切な人」
主要な駅の券売機付近には、必ずと言っていいほど彼らがいます。
手口の流れ:
- 券売機で切符を買おうとすると、親切な人を装って近づいてきます。
- 画面を勝手に操作し、発券まで手伝うふりをします。
- 切符が出た瞬間、「手伝ったからチップをよこせ」と要求します。
ローマ・テルミニ駅での被害体験
近郊都市へ行くために切符を買っていた時のことです。勝手に操作され、チップを要求されました。 小銭を渡したのですが、やはり「紙幣をよこせ」としつこく迫られました。
この時、私は「ダミー財布」を使っていました。パスポートのコピーの裏に隠していた5ユーロ札と小銭だけが入った財布を見せ、「これしかない」とアピールしました。すると相手は諦めて去っていきましたが、それでも3ユーロ持っていかれました。
4. その他の注意点(スリ)
混雑した地下鉄やバスも危険地帯です。
- ドアが閉まる瞬間にスマホや財布をひったくる。
- 複数人で囲み、身動きが取れない隙にバッグを開ける。
特に、ピサ中央駅からピサの斜塔へ向かうバスや、ヴェネツィア本島とメストレを結ぶバスは被害報告が多いので注意してください。
旅して分かった、現実的な対処法
ここからは、私が痛い目を見て学んだ「自分の身を守るための対策」をまとめます。
1. ダミー財布を準備する(最重要)
これが一番効果的でした。メインの財布はコートの内ポケットやバッグの奥底(あるいはホテルの金庫)にしまっておきます。 そして、安物の財布に小銭と少額紙幣だけを入れた「捨て財布」をポケットに入れておきます。
もし囲まれて逃げられない時は、その財布の中身を見せて「これが全財産だ」と言って切り抜けます。最悪、その中身を取られても、メインの資金は守れます。
2. 危険な場所は迂回する
ミラノのスフォルツェスコ城などは、正面から入らず、側面や裏側の公園入口から入ることを強くおすすめします。正面は「狩り場」になっています。遠回りでも安全なルートを選びましょう。
3. 徹底的な無視と「手はポケット」
彼らとは目を合わせず、”No Thank you”すら言わず、透明人間扱いしてください。そして、手は絶対にポケットから出さないこと。腕を掴まれる隙を減らすためです。
4. 現金は最小限に
イタリアでは、屋台やクリスマスマーケットでさえクレジットカード(タッチ決済)が使えます。現金の持ち歩きは最小限にしましょう。
5. 駅では有人カウンターの近くで
券売機を使う際は、警察官や駅員が見える位置にある機械を選びましょう。死角にある機械は狙われやすいです。
まとめ
今回、いくつかの詐欺に遭ってしまいましたが、もちろんイタリアには親切な人もたくさんいます。 中には、不法滞在の立場であっても、真面目に水や土産物を適正価格で売って生活している人も見かけました。そうした姿を見ると「彼らも必死に生きているんだな」と思うこともあります。
しかし、観光客の「言葉が通じない弱み」や「旅の思い出を壊したくない心理」に付け込む悪質な犯罪は許せません。 被害に遭うと、お金だけでなく、せっかくの楽しい思い出まで台無しになってしまいます。
皆さんは私の失敗を教訓に、準備万端でイタリア旅行を楽しんでくださいね。
よくある質問 (FAQ)
Q1: 詐欺に遭った場合、警察に届ければお金は戻ってきますか?
残念ながら、戻ってくる可能性は極めて低いです。金額が少額であることや、犯人がすぐに現場を離れるため、警察も積極的に動いてくれないことがほとんどです。「勉強代」として諦めるしかないのが現実です。
Q2: 女一人旅でもイタリアは大丈夫でしょうか?
基本的には大丈夫ですが、常に「狙われている」という意識を持つことが大切です。特に夜間の移動や、人通りの少ない路地は避けましょう。イヤホンをして歩くのも周囲の音が聞こえなくなるので危険です。
Q3: クレジットカードはどこでも使えますか?
はい、ほとんどの場所で使えます。VISAかMastercardのタッチ決済対応カードがあれば、地下鉄の改札もそのまま通れる都市が多く、非常に便利です。スキミング防止のため、カード情報はスマホ(Apple PayやGoogleウォレット)に入れておくのがおすすめです。


